第50次「日朝教育交流の集い」の報告

 コロナ禍で2度行うことができなかったので、今回が50回目の“日朝教育交流のつどい”でした。今回は日教組の“第25回・日朝教育シンポジウム東京”との同時開催でした。「民族教育80年―100年に向けて」と題し、祖国解放直後から民族教育を創り上げてきた朝鮮学校の教育の歴史を考えながら、今後の展望を考えました。

 日朝教育交流では、朝鮮学校の先生による授業と日本人による授業を行なっています。参加者の方々は、ウリハッキョ(私たちの学校)の生徒たちが朝鮮語も日本語もスラスラと理解しながら学んでいることに驚いていました。民族の誇りやアイデンティティを考える問いかけもあり、生徒自身は皆真剣に学んでいました。日本人教師の授業では、それぞれが自分の得意分野で生徒とまっすぐ向き合いながら授業をしていました。戦前の朝鮮人の国会議員の存在を通して、民族の自立について考える授業や人権について考える授業、言葉でのコミュニケーションを考えさせる授業などが行われていました。難しい問いかけに対しても、一人ひとりが真摯に学びに向かっていて、見ていると胸が熱くなるほどでした。

 授業の後は、「朝鮮学校『無償化』排除に反対する連絡会」共同代表の長谷川和男さんにより、50次の日朝教育交流の歴史を振り返りました。数を重ねる中で日本の学校の参加や日本人授業の実施など、相互に関わりあうようになってきました。そして、激しい朝鮮学校バッシングや高校無償化からの排除に対して闘う朝鮮学校に、支援や連帯を行ってきました。

 午後は「高校無償化―戦いの軌跡」と題してシンポジウムを行いました。朝鮮学校を卒業して、15年にわたる無償化闘争にどのように向き合ってきたのか、これからの課題はどこにあるのか。朝鮮学校の在学中に無償化問題に直面した卒業生が、自らの体験や思いを語りました。国連勧告を無視し続けている日本政府や朝鮮学校生徒の人権を蔑ろにする司法の判断に怒りを覚えます。戦後80年が過ぎてもなお、SNSを通じて歴史や事実を見ることないヘイト表現が匿名でばら撒かれるようになってしまっています。現在の差別に対して、そのままにしておくことは許されることではありません。高等学校無償化問題やヘイトスピーチなど、様々な問題に対して闘ってきた朝鮮学校と、子どもを育む仲間として交流を続けてきた教職員組合など日本地域の市民運動。これからも連帯して、今の差別に対し共に闘い、全ての人の人権が尊重される世の中に変えていけるようにしたいものです。

 今年は民族教育が始まって80年。朝鮮学校でもさまざまな取り組みがなされるそうです。知ることがスタートになります。自分の住んでいる地域にある朝鮮学校に行って、そこで学んでいる子どもたちに出会ってみてはいかがでしょうか。