台風接近で9日の閉会総会と非核平和行進も中止に!~異例の変則開催となった原水禁長崎大会~

 原水禁長崎大会は8月7日から三日間開催される予定でしたが、台風6号の接近に伴い7日の開会行事において、9日に行われる予定だった「閉会総会と非核平和行進、爆心地公園での黙祷」を中止することが発表されました。

 7日の開会行事では、「高校生平和アクション2020」が上映され、コロナ流行下で活動が制限される中での高校生平和大使・高校生1万人署名の取り組みが紹介されました。

 本来は、9日の閉会総会で採択される「アピール」を参加者全員で採択した後、「放射能汚染水の海洋放出に反対する」国際シンポジウムが開かれました。

 パネリストは、アメリカ・核のない世界のためのマンハッタンプロジェクト共同創設者の井上まりさん、マーシャル諸島大学教員・REACH ―ME創設者のデズモンド・ドラチョムさん、韓国環境連合事務総長のキム・チュニさん、福島県平和フォーラム共同代表の角田政志さん、コーディネーターは原水禁の谷雅志事務局長が務めました。

 地元福島の角田さんは「凍土遮蔽は失敗だった。それでも汚染水の増加が減ったのは、サブ渡連からの水を海に流すことを認めた漁民の苦渋の決断のおかげだったはず。政府は、情報を隠し、ごまかし、やるべきことをやっていない。薄めるから安全には何の根拠もない」と政府の姿勢を批判しました。

 マーシャル諸島のデズモンドさんは「太平洋諸国は海洋に依存しているので大きな影響を受けることになる。必要性と安全性を強引にアピールしているが、一方的な決定の連続になっている。IAEAは計画は基準を満たしていると言いながら計画を支持するものではないと矛盾したことを言っている。汚染水は通常の稼働原発のトリチウム水とは全くの別物である。子どもや赤ちゃんを含むすべての関係者にとって利点がある決定なのかを考えなくてはいけない。次世代のためにより良いことを考えよう」と訴えました。

 間近に迫る汚染水の海洋放出について、海外からの意見も聞くことができた、貴重なシンポジウムとなりました。