9月2日 関東大震災100年朝鮮人虐殺事件犠牲者追悼と責任追及の行動実行員会主催「国際シンポジウム」が開催される(続報)

 9月2日連合会館大会議室にて、関東大震災後の「朝鮮人虐殺事件」についての国際シンポジウムが開かれました。シンポジウムでは、平和フォーラムの佐野道夫さんがコーディネーターを務め、金應教さん(淑明女子大学教授)、鄭栄桓さん(明治学院大学教授)、リ・ジンヒさん(米国イースタン・イリノイ大学教授)がそれぞれ、「百年の証言~韓日の作家と市民が見た関東大震災と朝鮮人虐殺」(金さん)/「関東大震災時の朝鮮人虐殺と『否定論』の諸問題」(鄭さん)/「米国における関東虐殺否定論とジェノサイドへの対応」(リさん)について報告を行いました。

 休憩をはさみ、後半には鄭永寿さん(朝鮮大学校講師)、前田朗さん(東京造形大学名誉教授)が、「在日朝鮮人による関東大震災朝鮮人虐殺の真相究明・責任追及」(郭さん)、「国際法から見た関東大震災ジェノサイド」(前田さん)について報告しました。

 前田さんは、①朝鮮人虐殺をジェノサイドの視点から考える②事件を日本による朝鮮植民地支配全体の中に位置づける③世界史の中に位置づけ、ほかの事例と比較する④植民地支配と虐殺を国際法の視点から見直す⑤生物学的ジェノサイドだけではなく、文化ジェノサイドの概念で日朝関係史を再検証するとしたうえで、法の主体と歴史の主体の視点から「大日本帝国の『臣民』から日本国の『国民』に素早く変身して「主権」の担い手になったはずの日本人は、法=権利=運動の主体として何をなしえてきたでしょうか?」と問いかけました。そして「関東大震災ジェノサイドに関する国会質問は100年目の出来事でした。この100年の空白をどう受け止めるべきか。101年目、102年目・・・の闘いと研究を組織していかねばなりません」と締めくくられました。どの報告も、とても濃い内容の報告でした。