関東大震災から100年目の9月1日、追悼式典に続いて「関東大震災100年朝鮮人犠牲者追悼と責任追及の行動実行委員会」主催の「追悼集会と国際シンポジウム(9月2日)」が開催される

 関東大震災から100年の節目を迎えた、9月1日、両国の横網町公園にある、朝鮮人慰霊碑の前で追悼式典が行われました。節目の年ということもあり、また各地で追悼イベントが開かれたこともあり、例年を上回る多くの人々が参加しました。全く不当なことに小池百合子東京都知事は、今年も「追悼文」を送ることを拒否しました。また、松野官房長官は、31日の記者会見で関東大震災当時の朝鮮人虐殺を巡って、過去に政府の会議が報告書で虐殺を認定していることについて「(報告書は)有識者が執筆したものであり、政府の見解を示したものではない」と述べ「政府内で事実関係を確認できる記録が見当たらない」として論評を避け、さらに、政府としての事実関係の調査についても否定しました。

 同日夕方6時半から銀座ブロッサム大ホールで、関東大震災100年朝鮮人犠牲者追悼と責任追及の行動実行委員会主催の「追悼集会」が開かれ、約600人が集まり会場を埋めました。朝鮮大学生の朗読劇で始まった集会では、主催者のひとり保坂正仁・日朝友好促進東京議員連絡会共同代表が「事実をなかったことにしようというような発言、臭いものにふたをしようという発想は断じて許す訳にはいかない。しかし、その差別は今もなお続いている」とあいさつしました。

 参加者の一人は「関東大震災について多くの日本国民が認知している一方で、その最中に起きた朝鮮人虐殺は、若い世代の間ではほとんどの人が認知していないと思う。そのような中で、負の歴史から目をそらさず、日本国民が当時どれだけ大きな過ちを犯したかということについて、本集会を通して再認識できたことは、次世代を担う若い世代の我々にとって非常に意義のあるものだったと思う。集会中、朝鮮学校の生徒の皆さんによる朗読や独唱などの催しを見ながら、朝鮮学校の生徒の皆さんが笑って過ごせる日本になってほしいと切に感じた。政府は「虐殺の事実関係を把握できる記録が見つからない」としているが、一方で9月4日、神奈川県知事から内務省に充てたとされる虐殺の報告書が見つかるなど、事実を裏付ける資料は多く残っている。被害者や遺族に謝罪の言葉がないまま100年も経過してしまった今こそ、政府は虐殺の事実を認め、被害者と遺族に歩み寄る選択を取ってほしい」との感想を述べていました。

 翌日2日には、連合会館で「国際シンポジウム」が開かれ、主催者の想定を超える350人の市民が集まり資料が足りなくなるほどでした。シンポジウムの詳細については、後日お知らせします。